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研究内容紹介
○2004年度

複数経路表を用いた経路制御に関する研究

現在インターネットは世界規模で利用者が増加しており,それに伴いネットワークを流れるトラヒックが増加しています. しかし,現在の経路制御機構ではリンクに静的に付与された値を用いて最少コスト経路を算出し,以後この経路のみを使用します.そのため,特定のリンクに負荷が偏り,輻輳やパケットロスを生じてしまう可能性も出てきます.
このような現状を踏まえて,ネットワークの負荷状況に応じて動的に経路を制御し,ネットワーク資源を適切に利用するトラヒックエンジニアリング(TE)が検討されています.このTEを実現する手法の一つとして,本研究では,複数経路表を使用した経路制御手法に関する提案および評価を行っております.

マルチホーム環境におけるアドレス選択機構に関する研究

インターネットは,企業および家庭に広く浸透し,社会における情報通信基盤と して非常に重要な役割を担うようになってきています.また現在では, ADSLやFTTHといったアクセス回線の低価格化も進んでいます.これにより, インターネット接続に対する高い信頼性および 可用性を求める組織等(サイト)あるいはネットワークにおいて,複数のISPと の契約または複数のアクセス回線を使用するマルチホーム接続が浸透してきています. このマルチホーム環境をうまく利用することにより, 回線の利用効率を向上させ,負荷分散を図ることも可能となります.
本研究では,IP version 6(IPv6)をマルチホーム接続環境の基盤技術とし, 効率良く負荷分散を行う手法を提案し,評価を行います.


無線LANを用いたマルチホップ網構成法とその性能評価に関する研究

現在普及している無線LANネットワークは,バックボーン・ネットワークに接続されているアクセスポイントと,アクセスポイントに接続された無線端末で構成されています.この構成で通信エリアを拡大するためには,アクセスポイント配置の際に全てのアクセスポイントに有線ネットワークの敷設が必要となり,多くの手間と費用を要します.そこで,アクセスポイント間を無線で接続し,マルチホップネットワークを構成することで,新たなアクセスポイントに有線ケーブルを敷設すること無く,無線LANネットワークを拡大することができると考えられます. しかし,IEEE802.11を使用したマルチホップネットワークでは,端末とアクセスポイント間の無線チャネルとアクセスポイント間通信用の無線チャネルを共用するため,さらし端末問題が発生することがわかっており,効率よく公平な通信を行うことが困難となっています.
本研究ではさらし端末問題に対して,アクセスポイントにローカルインターフェイスと転送インターフェイスを持たせ,通信によりチャネルを使い分けるという方法でさらし端末問題の解消を試みています. ローカルインターフェイスは、使用するチャネルは固定であり,自アクセスポイント配下の端末との通信と,隣接アクセスポイントの転送インターフェイスからの通信要求を受けるインターフェイスで、転送インターフェイスは,使用するチャネルが可変で,アクセスポイントへの通信でのみ使用されるインターフェイスであり,通信相手のローカルインターフェイスのチャネルに合せて通信を行います. この2つインターフェイスを使い分ける方法を、シミュレーションによって性能評価をしています。


年度別研究紹介