研究概要   メンバー   研究業績   講義資料   イベント   リンク    所在地    Top  

研究内容紹介

複数経路表を用いた経路制御に関する研究

現在の経路制御機構ではリンクに静的に付与された値を用いて最少コスト経路を算出し,以後この経路のみを使用します.そのため,ネットワーク全体を見ると使われていないリンクがあるにも関わらず特定のリンクに負荷が偏り,輻輳やパケットロスを生じてしまう可能性も出てきます.
このような現状を踏まえて,複数経路表を使用した経路制御手法に関する研究があります.この経路制御手法では,ネットワーク内の各ルータに,通常の最小コスト経路を示す経路表とは別に,動的に変動する各リンクのリンク利用率をコスト値として使用し算出した最小コスト経路,すなわち最小負荷経路を示す経路表の2つ経路表を持たせます.この2つの経路表を使用し,ネットワークの負荷状況に応じてトラヒックをそれぞれの経路に動的に分配し制御します.
本研究ではこの手法における更なる提案および評価を行っております.


マルチホーム環境におけるアドレス選択機構に関する研究

インターネットは,企業および家庭に広く浸透し,社会における情報通信基盤と して非常に重要な役割を担うようになってきています.また現在では, ADSLやFTTHといったアクセス回線の低価格化も進んでいます.これにより, インターネット接続に対する高い信頼性および 可用性を求める組織等(サイト)あるいはネットワークにおいて,複数のISPと の契約または複数のアクセス回線を使用するマルチホーム接続が浸透してきています. このマルチホーム環境をうまく利用することにより, 回線の利用効率を向上させ,負荷分散を図ることも可能となります.
本研究では,IP version 6(IPv6)をマルチホーム接続環境の基盤技術とし, 効率良く負荷分散を行う手法を提案し,評価を行います.


IEEE802.11無線LANを用いたマルチホップ無線網構成に関する研究

現在普及しているIEEE802.11準拠の無線LANのアクセスポイントは,基幹網に接続するため 通信回線を必要とします.このため,通信エリアの拡大に新たにアクセスポイント配置する際に 全てのアクセスポイントに通信回線の敷設が必要となり,多くの手間と費用を要します.
そこで,全てのアクセスポイントを有線網に接続する代わりにアクセスポイント間を無線で接続し, 基幹網に接続したアクセスポイントまでの間を多段に中継する「マルチホップ無線網」の検討が 進められています.マルチホップ無線網では低コストで容易に無線LANネットワークを拡大する ことができると考えられます.しかし,IEEE802.11準拠の無線LANを使用したマルチホップ 無線網では,チャネルの干渉やさらし端末問題等の問題があり,効率よく公平な通信を行うことが 困難となっています.
本研究ではこれらの問題を解消し,マルチホップ無線網において高いスループットを達成するため に,アクセスポイントのインタフェースを受信用と送信用に分離する方法を提案し, シミュレーションによって性能評価をしています.



複数のインターフェースを有するマルチホップ無線基地局の構築と実証評価

現在、IEEE802.11規格に準拠した無線LANが急速に普及しています。これに伴い、大規模な 無線LAN環境の実現に対する要求が高まってきています。しかし、一般的な無線LANのアクセス ポイント(AP)は、イーサネットなどの有線ネットワークを用いて大本となる基幹ネットワーク に接続されるため、新たにAPを設置する場合には、有線ネットワークの敷設が必要となります。 そこで、複数のAP間を無線で接続し、マルチホップ無線ネットワークを構築する方法が検討され ています。これにより複数のAPを有線で接続する場合に比べ、設置が容易で安価に大規模な無線 LAN環境を構築することが可能となります。しかし、既存の無線LANでは、ホップ数の増加に 伴って通信特性が著しく劣化します。これは、無線LANにおける通信路の競合や隠れ端末問題、 晒し端末問題が原因となっています。
本研究では、良好な通信を行うことが可能なマルチホップ無線ネットワークを構築するために、 APに複数のインターフェースを搭載し、先にあげた問題を解決する方法を提案し、実証実験を おこない性能評価を行います。


Gridミドルウェアと連携するネットワーク制御機構のための経路選択手法

Gridアプリケーションにおいては、分散処理を行う計算機資源の割り当てを行う スーパースケジューラの存在が不可欠です。
また、Gridアプリケーションの実行の際には、タスク処理を行う各計算機資源間 において、多量のデータ通信が発生することになります。
これらの通信に対し効果的にネットワーク資源の割り当てを行う、スーパースケ ジューラと連携するネットワーク制御管理サーバが、効率的なアプリケーション 処理のため必要となります。
そこで、本研究ではネットワーク制御管理サーバで用いられる、通信経路のネット ワーク特性を考慮した経路選択を行える手法を提案し、その有効性を評価します。


ハードウェアトークンと鍵管理サーバを用いたシングルサインオンシステムの開発

インターネットの普及により、WWWやFTP、遠隔ログインやデータベースへのアクセスをはじめ、Web 上での商取引など様々なサービスがインターネットを利用して提供されています。このような インターネットを用いたサービスのうち、個人情報を必要とするものについてはユーザ認証を 行う必要があり、これはサービスごとに個別のログイン情報が必要になります。しかし、サービスの 多様化と増加に伴い、ユーザにとってその管理が非常に困難になってきています。 そこで、この問題を解決するために、認証が必要な複数のサービスに対して、一回の認証により その他のサービスを利用可能とするシングルサインオン(Single Sign-On:SSO)環境の実現が 求められています。
そこで、本研究では高い安全性と利用にあたっての柔軟性を兼ね備えたSSO環境を実現するために、 ハードウェアトークンと鍵管理サーバを使用したSSOシステムを提案し、その実装を行います。



年度別研究紹介